日本学生支援機構はかつての日本育英会を引き継いだ独立行政法人です。実質的に、国の奨学金団体として広く認知されています。略称はJasso(ジャッソ)です。
日本学生支援機構の目的は「我が国の大学等において学ぶ学生等に対する適切な修学の環境を整備し、もって次代の社会を担う豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資するとともに、国際相互理解の増進に寄与すること」です。
このページでは、日本学生支援機構が具体的に何をしているのか、どのような奨学金などを提供しているかの概要を説明します。
日本学生支援機構の奨学金:基本の3種類
日本学生支援機構は、返済不要な給付型奨学金と返済が必要な貸与型奨学金を提供しています。
貸与型奨学金は、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金の2つがあります。
よって、大別すると、(1)返済不要な給付型奨学金と、(2)返済必要で無利子の第一種奨学金と(3)返済必要で有利子の第二種奨学金の3つがあります。
これらの奨学金を得るための条件はそれぞれ異なります。給付型奨学金の条件が最も厳しいです。よって、最も獲得するのが難しいです。第一種奨学金が次に難しいです。第二種奨学金が最も簡単です。
奨学金のその他の区別:国内進学と海外留学
これら三種類の奨学金には、それぞれ、日本国内での進学用と、海外留学用があります。
よって、6タイプが存在します。
1,国内進学の給付型奨学金
2,国内進学の第一種奨学金
3,国内進学の第二種奨学金
4,海外留学の給付型奨学金
5,海外留学の第一種奨学金
6,海外留学の第二種奨学金
国内進学の給付型奨学金と、海外留学の給付型奨学金は、それぞれの条件が異なります。たとえば、もらえる金額などが異なります。同様に、国内進学の第一種奨学金と海外留学の第一種奨学金はそれぞれの条件が異なります。それぞれの第二種奨学金も同様です。
共通するのは、上述のように、給付型奨学金は返済不要なことです。第一種奨学金は無利子の貸与型であり、第二種奨学金は有利子の貸与型だということです。
それ以外の特徴については、国内進学と海外留学では異なります。
たとえば、国内での進学では、大学、短大、専門学校、大学院、高専が対象です。通信課程も含みます。
海外留学では、大学と大学院が対象です。
※後述のトビタテ留学Japanという海外留学の奨学金は高校生も対象です(中学3年生の卒業月から応募可能)
※海外の大学で学位を取得するための長期間の留学を希望していますか?これは、海外の大学に入学して卒業するための留学です。交換留学や語学留学などとは異なるものです。このタイプの留学は、海外留学の奨学金でのみ可能です。
しかし、短期留学は、一定の条件を満たせば、国内進学の奨学金でも可能です。
奨学金のその他の区別2:いつ応募するか
奨学金にいつ応募するか。希望する学校に進学する前か、それとも進学した後=在学中か。この区別も重要です。
進学する前の応募は、「予約採用」タイプです。これから進学したい学校のための奨学金を「予約する」からです。
進学した後、在学中の応募は「在学採用」タイプです。
予約採用と在学採用は応募の時期など、それぞれ条件が異なります。
日本学生支援機構のそれぞれの奨学金の概要
タップすると、詳細を確認できます
国内進学の奨学金
国内進学の予約採用タイプ
日本学生支援機構の給付型奨学金(予約採用)
日本学生支援機構の給付型奨学金(予約採用)は、大学・短期大学・専門学校などへ進学する前に申し込む、原則として返済不要の奨学金です。高校等に在学している人は在学校を通じて申し込み、卒業した人も卒業後2年以内であれば、卒業した学校を通じて申し込めます。高等学校卒業程度認定試験の合格者・合格見込者は、日本学生支援機構へ直接申し込みます。
採用は、申込者本人と生計維持者の収入・資産に関する家計基準や、学修意欲などに関する基準をもとに審査されます。給付額や支援区分は世帯の所得状況、進学先の学校種、自宅通学か自宅外通学かなどによって異なります。また、給付奨学金に申し込むことで、高等教育の修学支援新制度による授業料・入学金の減免もあわせて申請できます。
採用候補者に決定しただけでは、奨学金の支給は始まりません。進学後、進学先の学校へ採用候補者決定通知を提出し、学校の案内に従ってインターネットから「進学届」を提出する必要があります。期限までに手続きを行わないと奨学金を受けられないため、進学前・進学後の案内を必ず確認しましょう。
日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金(予約採用)
日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金(予約採用)は、大学・短期大学・専門学校などへの進学前に申し込む、返済が必要な貸与型奨学金です。第一種奨学金は利子が付かない無利子型、第二種奨学金は利子が付く有利子型です。第一種と第二種では学力基準や家計基準が異なり、一般に第一種のほうが基準は厳しく設定されています。両方の条件を満たせば、第一種と第二種を併用して借りることもできます。
申込みは、在学中または卒業後2年以内の高校等を通じて行います。高等学校卒業程度認定試験の合格者・合格見込者は、日本学生支援機構へ直接申し込みます。希望者は学校から必要書類を受け取り、学校が指定する期限までにスカラネットへ申込内容を入力するとともに、必要書類を日本学生支援機構へ提出します。
採用候補者に決定した後は、進学先の学校を通じて「進学届」を提出すると、奨学金の貸与が始まります。貸与額や保証制度、返還方式などを選ぶ必要があり、第一種では定額返還方式または所得連動返還方式、第二種では定額返還方式が用意されています。どちらも卒業後に返還する必要があるため、借りられる上限額ではなく、卒業後に無理なく返せる月額を基準に選ぶことが大切です。
なお、公的あるいは民間の返還支援精度が多くあります。
国内進学の在学採用タイプ
日本学生支援機構の給付型奨学金(在学採用)
日本学生支援機構の給付型奨学金(在学採用)は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校などへ進学した後に申し込む、原則として返済不要の奨学金です。予約採用に申し込まなかった人や採用されなかった人も、在学する学校を通じて申し込めます。募集は原則として毎年春と秋に行われますが、申込期限は学校ごとに異なります。
申込みでは、在学する学校の奨学金窓口から必要書類を受け取り、スカラネットへの入力やマイナンバーの提出などを行います。採用には、申込者本人と生計維持者の収入・資産に関する家計基準と、学業成績や学修意欲に関する学力基準を満たすことが必要です。給付額は、世帯の所得に応じた支援区分、学校の種類、自宅通学か自宅外通学かなどによって異なります。
給付奨学金の対象者は、高等教育の修学支援新制度による授業料・入学金の減免も受けられます。ただし、採用後も継続して支援を受けるには、学校を通じて必要な手続きを行い、一定の学業要件を満たす必要があります。申込みを希望する場合は、募集時期を逃さないよう、早めに学校の奨学金窓口へ確認することが大切です。
日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金
日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校などへ進学した後にも、在学する学校を通じて申し込める貸与型奨学金です。第一種奨学金は利子が付かない無利子型、第二種奨学金は利子が付く有利子型で、卒業後などに返還する必要があります。第一種と第二種では学力基準や家計基準が異なり、一般に第一種のほうが厳しい基準となっています。
在学採用の募集時期や申込期限は学校ごとに異なるため、希望する人は在学する学校の奨学金窓口で確認します。申込みでは、学校から必要書類を受け取り、スカラネットへの入力やマイナンバー関係書類の提出などを行います。両方の基準を満たす場合は、第一種と第二種を併用して借りることも可能です。
貸与月額や保証制度、返還方式などは、申込みの際に選択します。ただし、給付型奨学金と第一種奨学金を併用する場合は、給付型奨学金の支援区分などに応じて第一種の貸与月額が減額され、0円になる場合もあります。貸与型奨学金は将来返還する必要があるため、必要な学費や生活費を確認し、無理なく返還できる金額に抑えることが大切です。
なお、公的あるいは民間の返還支援精度が多くあります。
海外留学の奨学金
海外留学の給付型奨学金
大別すると、4種類あります
日本学生支援機構の海外留学支援制度:学部学位取得型
日本学生支援機構の海外留学支援制度(学部学位取得型)は、海外の大学で学士の学位を取得することを目的に留学する人を対象とした、返済不要の給付型奨学金です。日本の高校などを卒業後、海外の大学へ直接進学する人が主な対象で、専攻分野や留学先の国・地域は原則として限定されていません。
応募には、学歴、成績、家計、語学力などの要件があります。語学力の基準は、留学先で主に英語を使用する場合はTOEFL iBT80点またはIELTS6.0以上、英語以外の場合はCEFR B2以上です。書類審査と面接審査が行われ、留学先大学への出願や入学手続きは本人が行います。
奨学金の月額は留学先の国・地域によって異なり、支援期間は原則として学士取得に必要な最短期間、最長4年間です。応募方法には、個人が直接申し込む通常の応募と、高校在学者を対象とする都道府県推薦枠があり、年度によって募集日程や支給額が変わるため、応募時には最新の募集要項を確認する必要があります。
日本学生支援機構の海外留学支援制度: 大学院学位取得型
日本学生支援機構の海外留学支援制度(大学院学位取得型)は、海外の大学院で修士または博士の学位取得を目指す人を対象とした、返済不要の給付型奨学金です。留学先の国・地域や専攻分野は原則として限定されておらず、学位取得に必要な経費を支援します。
応募には、学歴、年齢、成績、語学力、所得などの要件があります。支援開始までに学士以上の学位を取得していることなどが必要で、原則として日本国内の在籍大学または卒業大学を通じて応募します。大学を通じた申請ができないなど、所定の条件を満たす場合は個人応募も可能です。
奨学金の月額は留学先の国・地域によって異なり、支援期間は原則として学位取得に必要な最短期間です。応募者は留学計画や研究計画、将来の目標などについて審査を受けます。募集要項は例年9月頃に公開され、10月中旬頃に締め切られるため、応募を検討する場合は前年度の要項も参考にしながら、語学試験や提出書類の準備を早めに進めることが大切です。
日本学生支援機構の海外留学支援制度:協定派遣
日本学生支援機構の海外留学支援制度(協定派遣)は、日本の大学などが海外の大学・研究機関との協定に基づいて実施する、交換留学や派遣留学の参加者を支援する返済不要の給付型奨学金です。日本の学校に在籍したまま参加する、8日以上1年以内の留学プログラムが対象となります。
奨学金は留学先の地域に応じて月額8万円~12万円です。また、一定の家計基準を満たす人には16万円、一定の派遣期間を満たす人には1万円の渡航支援金が支給される場合があります。支援対象になるには、学業成績や家計、留学後に在籍校へ戻って学業を継続することなどの要件を満たす必要があります。
学生が日本学生支援機構へ直接申し込む制度ではありません。まず在籍大学などが派遣プログラムを申請し、採択されたプログラムの参加者について、学校が募集・選考を行います。募集時期や選考基準、対象となる留学先は学校ごとに異なるため、希望する場合は在籍校の国際交流担当部署に確認する必要があります。
以下は詳細ページを作成してあります。受かるコツも読めます
トビタテ留学JAPAN (高校生等) 新・日本代表プログラム
海外留学の第一種・第二種奨学金
日本学生支援機構の海外留学の第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象
日本学生支援機構の第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)は、給付型の「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」に採用され、その給付を受けてもなお経済的な支援を必要とする人を対象とした、返済が必要な無利子の奨学金です。海外大学院へ進学する人全般が対象になるわけではなく、海外留学支援制度(大学院学位取得型)の採用者であることが前提となります。
貸与月額は、修士課程相当では5万円または8万8,000円、博士課程相当では8万円または12万2,000円から選択します。希望者は、10万円~50万円の入学時特別増額貸与奨学金を申し込める場合もありますが、こちらは利子が付く第二種奨学金です。貸与期間は、原則として海外留学支援制度(大学院学位取得型)の支援期間と同じです。
申込みは日本学生支援機構へ直接行い、留学前から手続きを始めることもできます。ただし、海外留学支援制度の支援開始手続きに関する審査が完了した後に、採否の通知と初回振込みが行われます。貸与終了後は本人に返還義務が生じるため、給付奨学金を差し引いても不足する金額を確認し、必要な範囲で借りることが重要です。
日本学生支援機構の海外留学の第二種奨学金
日本学生支援機構の第二種奨学金(海外)は、学士・修士・博士の学位取得を目的として、海外の大学や大学院へ進学する人、またはすでに在学している人を対象とした、返済が必要な利子付きの奨学金です。進学前に申し込む「予約採用」と、海外の大学・大学院へ進学した後に申し込む「在学採用」があります。語学学校や語学コースのみへの留学は対象となりません。
貸与月額は、海外大学では2万円から12万円までの1万円単位、海外大学院では5万円・8万円・10万円・13万円・15万円から選択します。希望する場合は、10万円から50万円の入学時特別増額貸与奨学金を申し込めることもあります。貸与期間は、原則として学位取得に必要な最短修業年限までです。
予約採用は原則として国内の在学校または卒業校を通じて申し込み、進学後の在学採用は日本学生支援機構へ直接申し込みます。第二種奨学金(海外)は利子が付き、機関保証と人的保証の両方への加入が必要です。貸与終了後は本人に返還義務が生じるため、学費や生活費の不足額と将来の返還額を確認したうえで、必要な範囲の月額を選ぶことが重要です。
そのほかの支援(金)
被災した学生への支援(災害支援金)
JASSO災害支援金は、自然災害や火災などによって住居が大きな被害を受けた学生が、生活を立て直して学業を継続できるように支給される返済不要の支援金です。支給額は10万円で、日本学生支援機構へ寄せられた寄附金をもとに実施されています。
対象となるのは、日本国内の大学・短期大学・大学院・高等専門学校・専修学校専門課程などに在学し、本人または父母等が現に住んでいる家が半壊以上、床上浸水などの被害を受けた学生です。自治体による避難勧告等が1か月以上続いた場合も対象となります。JASSOの奨学金や他団体の経済的支援を受けている場合でも申請できますが、入学前や休学中に発生した災害は原則として対象外です。
申請は原則として在学している学校を通じて行い、罹災証明書などの必要書類を提出します。学校からJASSOへの申請期限は、災害が発生した日の翌月から数えて6か月以内です。証明書の発行が間に合わない場合は、発行申請時の書類のコピーを先に提出できるため、被災後は早めに学校の窓口へ相談することが大切です。
児童養護施設等の生徒への受験料等支援
児童養護施設等の生徒への受験料等支援は、児童養護施設や里親家庭などで生活する高校3年生等が、経済的な理由で進学の機会を失わないよう、大学・短期大学・専門学校などの受験料や模擬試験費用を補助する返済不要の支援制度です。実施主体は都道府県・指定都市・児童相談所設置市で、国の補助を受けて運営されています。
対象となるのは、児童養護施設、児童心理治療施設、自立援助ホーム、ファミリーホーム、里親家庭などで生活する高校3年生等で、進学を希望する生徒です。支援内容や対象となる学校、補助額の上限などは自治体によって異なりますが、大学・短期大学・専門学校などの受験料や、大学受験向け模擬試験の受験料などが補助対象となります。
申請方法や募集時期は自治体や施設によって異なり、多くの場合は施設職員や里親、自治体の担当窓口を通じて手続きを行います。利用を希望する場合は、高校3年生になってからではなく、受験計画を立て始める時期に施設や自治体へ相談し、申請期限や必要書類を早めに確認しておくことが大切です。
これらの奨学金制度の特徴
日本学生支援機構(JASSO)は、かつての日本育英会を引き継ぐ独立行政法人で、国内進学や海外留学を支える公的な奨学金制度を幅広く扱っています。主な制度は、返済不要の給付型奨学金、無利子で借りる第一種奨学金、有利子で借りる第二種奨学金の3種類です。国内進学向けと海外留学向けで制度が分かれており、さらに進学前に申し込む予約採用と、進学後に申し込む在学採用があります。
この奨学金制度が向いている人
大学、短大、専門学校、大学院、高専などへの進学費用に不安がある人に向いています。返済不要の給付型奨学金を目指す人だけでなく、給付型だけでは足りない場合に第一種奨学金や第二種奨学金を組み合わせたい人にも関係します。また、海外大学・海外大学院への学位取得型留学、協定派遣、トビタテ留学JAPANなど、海外留学を考えている人にとっても確認しておきたい制度です。
応募前に注意したい点
日本学生支援機構の制度は種類が多く、給付型、第一種、第二種、国内進学、海外留学、予約採用、在学採用で条件や申込時期が異なります。まずは、自分が国内進学なのか海外留学なのか、返済不要の給付型を目指すのか貸与型も検討するのか、進学前に申し込むのか在学中に申し込むのかを整理することが大切です。特に貸与型奨学金は将来返済が必要になるため、月額だけでなく、卒業後の返還額や返還期間まで確認してから利用を判断したい制度です。
あなたの次のステップはどれですか?
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